昆虫金属標本project in 2015

手と耳で感じる秋の季節

現代では都市化や生活模様の変化により、直接虫に触れ、音色を楽しむといった、鳴く虫文化は衰退している。そこで本研究では組み立てながら体の生物的特徴を学べ、鳴く虫に対する理解を深めることができる精巧な標本と鳴く虫の習慣を生かした虫の声が聞こえる音源再生装置を制作する。これにより、かつて日本人が虫の音色を楽しんでいたように、現代人にも鳴く虫文化を体感してもらうことができる。

金属昆虫標本

素材を金属とすることで、大人も満足できる、貴金属のような昆虫標本を目指した。金属プレートのパーツと3Dモデリングで設計した鋳物を組み合わせることで立体的で精密な昆虫を再現。また、組み立てながら、昆虫の形態的特徴や構造を学ぶことができる。

虫が鳴き出す切り株ステージ

人が遠ざかると鳴き、近づくと鳴き止む習性を再現。切り株の側面に赤外線式人感センサを埋め込み、2m以上離れると鳴き声が聞こえる。音源は、鳴き声が美しいとされるスズムシ、コオロギ、キリギリス、ヒグラシの4種を選択することができる。

左:スズムシ 中:コオロギ 右:キリギリス

研究協力

  • 株式会社 大橋製作所

  • 意匠登録済