伸縮自在印刷を使用したプロダクトの提案 project in 2010

効果的な引き締めでパフォーマンス向上

パフォーマンス向上を狙ったスポーツサポートウェアの開発。現在、多種多様なサポートウェアが 発売されているが明確な検証データを持つ商品はなく、 消費者の商品選択が困難である。そこで、本研究では明確な検証データに基づくサポートウェアの開発を行った。また、サポートウェアには印刷自身が伸び縮
み可能な“伸縮自在印刷”を使用し、筋肉へのピンポイントな引き締めを行うことにより、パフォーマンス向上の効果を持たせた。プロダクトは、全種目の基本となるスタンダードモデルと、 種目別サポートウェアであるクロスカントリーモデルの2種類である。

伸縮自在印刷

伸縮自在印刷は、生地と共に印刷が伸縮する特殊印刷技術である。生地と印刷部分の伸縮率の差により、 印刷部分に引き締め効果が生じ、身体に適度な締め付けを与えることができる。

ハニカム構造

シート部分にハニカム構造で穴あけを行い、ウエア着用時の通気性を確保する。

反射シート

反射シートを使用することで、ライトに照らされる。夜間のランナーの視認性を向上を図る。

ピンポイントに引き締める

生地の上から転写可能な為、必要な箇所にピンポイントの引き締めを行うことを可能とする。

研究協力

  • 株式会社エヌエスケーエコマーク

  • 法政大学 スポーツ健康学部 泉研究室

都市型水害対策用避難誘導システムの提案

近年、地球温暖化によりゲリラ豪雨による被害の増加が懸念されている。特に高度経済成長期に宅地開発が著しく進んだ都市部では、降雨量に対する下水道の排水能力不足による氾濫が頻発している。これらを内水氾濫といい、東京都における氾濫被害全体の9割以上を占めている。

 内水氾濫を引き起こす大きな要因として、地形の問題があげられる。発見された旧石器時代以降の遺跡や古地図を調査したところ、水害の危険性がある地域には、以前沼地や河川が流れていたという事例が見えてくる。
 つまり高度経済成長期における都市部の急速な市街地化により、河川の暗渠化が進み、内水氾濫はまさに見えない危険となった。

 研究開始から3年目となる今年度は、氾濫地域のシミュレーションを基に、氾濫測定機器の設置を含めた計画全体の提案を行う。通信技術を応用したネットワークシステムも視野に入れ、的確な避難誘導の実現に向けて研究を進める。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

<2010年度より継続>

自損事故対策のための建材の提案

2011年度に引き続き、山間部での自損事故をターゲットに建材と情報伝達機器を組み合わせ「情報建材」という新たな交通インフラを提案する。

山間部では天候の影響を受けやすく、急カーブが多いなど事故が起こりやすい。さらに、山間部での自損事故は「運転手が怪我や意識不明の状態の場合、警察・救急機関への通報が困難である」、「交通量が少ないことによる事故車両の発見が遅れる」、「携帯電話が通信エリア外の場合、通報の手段がない」の3点の理由から生存率が低下する。救急車の到着に時間のかかる山間部でこそ、迅速かつ正確な通報手段が必要だ。

より多くの命を守るため、事故発生を検知し、警察・救急機関への情報伝達を行う情報伝達建材及びシステムを考案する。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

<2011年度より継続>

フラクタルの原理を応用したプロダクトの研究開発

都市部でのヒートアイランド現象は深刻だ。特に夏場は、アスファルトや建築物のコンクリートに熱が吸収され、体感温度は40度を超える場合もある。日よけによる暑さ対策は一般的であるが、日よけ自体の温度も上昇し、結果として熱が輻射されてしまう。近年は自然の力を借りた緩和策として、壁面緑化や緑のカーテンを用いる場面も増えているものの、設置環境の制限や管理の手間から使用場所は限られている。

本研究では、暑さをしのぎ五感で涼を体感できるプロダクトの研究開発を行う。フラクタルの原理をはじめとする自然界の力や法則を応用することで、人が本来感じることのできる快感を引き出すことを目標とし、使用時の心地良さを追求した日よけを研究開発する。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

首都直下型地震対策 帰宅困難者用防災セットの提案

東日本大震災以降、いつ首都圏を襲ってもおかしくないとされる直下型地震。
本プロジェクトは帰宅困難に特化した防災セットを開発し、より多くの人の防災対策・防災意識を高めることを目標としている。街頭でのインタビュー形式のアンケートから「帰宅困難経験者100人の真実」をあぶり出し、表面的にはうかがい知れなかった事実を検証する。この調査を基にミニマリズムの観点から「本当に必要なもの」を導き出し、常時震災に備えられる防災セットを作成する。

 内容物の目玉としては「新型ヘルメット」を考案する。
首都直下型地震では本震直後や帰宅困難時の余震によって建物から落ちる瓦礫に起因し、多くの死者や負傷者が出ることが予想される。そこで今までのヘルメットの形態に影響されること無く「頭を守る」をキーワードとして、人間がもつ本能的反射行動を活かした頭部保護の新しい形態を探る。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

鉄鋼スラグを利用した防錆材に関する研究

鉄鋼スラグとは製鉄行程から生成する有用な副産物である。
本研究では、製鋼スラグの特性の一つ「高アルカリ性」を利用した、建材の酸性化緩和材の実用化を目指す。

地球温暖化に伴い、日本では多くの地域で酸性雨が確認されている。
その影響は様々な場面で表れており、とりわけ道路標識やガードレール等の建材の腐食は深刻である。支柱根元は砂や塵によるサンドブラスト現象により塗装面が傷付き、酸性雨の影響を強く受けて腐食が早まる。これが起因し、支柱が折れるという事故も発生している。
本研究では、アルカリ成分を溶出する塗料を開発し建材酸性化の緩和を実証することで、スラグの汎用性を高める。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

マイクロカプセルを応用した野生害獣被害対策

山間部におけるイノシシやシカによる農林被害が後を絶たない。地球温暖化による生態系の乱れや、人間の手による開発事業が野生動物の生息地域に影響を与えたことによる。現在、農業被害額は50億円に及び、未報告の被害や山林被害も含めると総額500億円にのぼると予想される。特にゴルフ場では、グリーンに残されたシカの足跡や糞がパットラインを狂わせ、イノシシがフェアウェイを掘り返し、餌を漁る被害が深刻化している。本研究ではイノシシやシカが嫌う忌避材を配置することで獣害を防ぎ、被害地域作業者への経済的負担や労働的負担を軽減させることを目標としている。

 研究開始から5年目となる本年度は、新たにゴルフ場、鉄道路線、高速道路において侵入忌避実験を実施する。忌避効果を検証し、適切な方法を探りながら、製品化に向けた忌避材と防護柵を開発していく。


※詳細は機密保持のためお知らせすることはできません。

<2008年度より継続>

山間部自損事故対策

山間部で自損事故が発生した場合、運転手の容態によっては通報ができず命を落とすケースがある。そこで、ガードレール支柱上部の視線誘導標に無線通信規格「ZigBee」を内蔵させ、事故発生を検知して情報を伝達するシステムを考案した。警察・消防への通報と同時に、事故現場周辺の通行車両に対して注意を促すシグナルを発し、追突等の二次災害を防止する。


【研究協力】
神奈川県警 交通総務課
日鐵住金建材 株式会社
株式会社 TNK


特許出願中・意匠登録出願中

高齢者用インナープロテクター開発

超高齢社会の日本では、お年寄りの転倒被害が深刻化している。そこで、頭部インナープロテクターと膝部インナープロテクターを提案した。帽子の内側に装備することで、お洒落を楽しみつつ頭部を保護する頭部プロテクター、ズボンの内側に装着し、人体計測に基づいて膝蓋骨・膝蓋靭帯を適切に保護する膝部プロテクター。

双方とも「軽い」「蒸れない」「洗浄可能」「人目が気にならない」というユーザー要求を高い次元で実現している。


【研究協力】
株式会社 谷沢製作所


特許出願済・意匠登録及び商標登録済

真空成形を利用した贈答用一輪挿しパッケージの提案

真空成形品は手軽に成形できるが故に、「低価値包装」として使い捨てられてしまうことが多い。そこで、高級感・機能性を追求した「贈答用一輪挿しパッケージ」を制作した。男性の花束を持ち歩く気恥かしさに着目し、男性でも気軽に花を購入でき、女性に「一輪の想い」を届けるパッケージを提案した。高級感を感じる外観に加え、花の腐食を防ぐ空気孔を設けることでパッケージごと飾れるよう工夫を凝らした。


【研究協力】
株式会社 城南村田
財団法人 東京都中小企業振興公社


意匠登録出願中

野生害獣被害対策

イノシシやシカによる農林被害は深刻な問題となっている。侵入された田畑の被害は甚大であり、農作継続を断念せざるを得ないほどである。 本研究ではイノシシやシカの忌避臭をマイクロカプセルに封入することにより農林被害を防ぎ、生産農家への経済的負担や労働的負担を軽減させることを目的としている。

4年目となる本年度は、忌避材と防護柵を製品化に向けて使用用途や形状などを検討した。






【イノシシ用 杭型忌避タブレット】
イノシシによる掘り返しを防ぐ為、畑を囲うネットを抑える杭型のタブレットケース。様々な地形を考慮し、片手で刺し込みだけの簡易設置が可能である。












【イノシシ・シカ用 吊型忌避タブレット】
作物を囲うように設置するロープに吊るしたまま、タブレットの補充が可能である。時間の経過と共にマイクロカプセルが破壊され、臭気を拡散させることで、広範囲の忌避を行う。














【シカ用 忌避シート】
シカによる侵入を防ぐ為、畑を囲うネットに装着する忌避シート。場所を取らない薄型タイプで、風に煽られても外れにくい仕様となっている。










【イノシシ・シカ用 防護柵】
従来の防護柵のパーツ構成を見直し、ユーザーの体力的負担の軽減、害獣の生態的特徴を考慮した防護柵システム。支柱をジョイント式にすることで持ち運びが容易になり、高齢者でも脚立を使わず設置が行える。地形や被害状況に応じて、防護システムを選択することが出来る。








【イノシシ・シカ用 足がらみ柵】
動物の肉体的弱点である足と腹に着目。足を踏み入れた際に違和感を与える構造で、畑や農村部への侵入を妨げる。また、害獣の学習能力を利用することで、長期的な効果が期待でき、マイクロカプセルの忌避臭と組み合わせることで効果は倍増する。


【研究協力】
大日本印刷 株式会社
日鐵住金建材 株式会社
株式会社 アベキン
熊倉シャーリング 有限会社
ダイオ化成 株式会社
法政大学 杉山研究室



特許出願済み・意匠登録済み

伸縮自在印刷を使用した高機能スポーツソックス

足部のスポーツ障害は、種目や技術レベル、年齢、性別を問わず発生する可能性が高い。日々の練習においても予防に努め、負傷する際には重症化させないことが重要であり、伸縮自在技術を用いてそれをサポートする機能性ソックスの開発を行った。

伸縮自在印刷を足関節の要所に施すことで、足関節を強固に締め付け体幹を安定させる。また、足関節可動域を制限し土踏まずのアーチをサポートすることにより、転倒防止や足部への衝撃の軽減を図り、様々なスポーツ障害の予防を行う。


【研究協力】
株式会社 エヌエスケーエコマーク
法政大学 スポーツ健康学部 泉研究室


意匠登録済

地下と地上をリンクする「LandmARker」

地下空間は地下鉄や商業施設の開発などにより拡大傾向にある。しかし、地下構造と地上の位置関係を把握することが困難となり「地下迷い」が日常的に発生している。現在の地下空間では案内板や個人の携帯電話以外に地上の情報を取得する方法はない。そこで本研究では「地下迷い」を解決するため、拡張現実(Augmented Reality=AR)技術を利用したスマートフォン用アプリケーションとマーカー建材を開発した。

地下に設置されたマーカー建材をスマートフォンのカメラで認識することで、頭上に広がる地上の様子を画面上に立体表示する。地下空間における迷いのポイントにマーカーを設置することで、利用者をスムーズに目的地へと導く。


【研究協力】
日鐵住金建材 株式会社


特許出願中

画像処理における金型の超微細加工システム

近年、バイオミメティクス(生体模倣技術)を基に、自然の合理的な機能を製品に利用する考えが拡がっている。しかし、その形状は微細且つ複雑であり、数値化して製品に落とし込む方法が確立されていない。そこで、自然の機能を最新のデジタル画像で数値化し、CAD/CAMデータに置き換えることで直接金型加工へ展開できる技術開発を行った。

自然物の表面をマイクロスコープで撮影し、照射方法を工夫しながら画像合成を行うことで、自然物の微細な凹凸を金型の切削データに変換することに成功した。


【研究協力】
株式会社 昭和テック


特許出願済

停止のシンボル

近年、環境問題や健康意識などの高まりにより、ロードバイク利用者が増加している。
しかし、日本では歩行者と自転車の分離が十分でなく、歩行者と自転車の事故はこの10年で4.8倍増加している。 国土交通省は自転車レーンなどの自転車専用道の設置を進め、双方の安全確保を図ろうとしている。 今後、自転車専用道が普及するにつれ、交差点に自転車専用の明確な停止場所も必要となる。
そこで、停止・発進時の安全性と心地良さを付加した、交差点の新たなシンボルを開発した。



【写真左】
感圧センサーを利用した実験結果より、足を置く上面を20°傾けることで、 足に掛かる荷重を分散できる。また、踏み込みやすいよう角度をつけることで素早い発進が可能となる。



【写真右】
足を置くと上面に取り付けてある面スイッチが感知され、後方のLEDが青く点滅し、 自動車などの第三者に自分の存在を示すことが出来る。 薄暮時や夜間の道路は、自動車のテールランプや工事等により赤一色に染まるため、視覚的に差別化出来る青色LEDとした。


【 研究協力 】
日鐵住金建材株式会社


特許出願済み・意匠登録済み

都市型水害対策

都市部における水害の主な原因である内水氾濫を被害の危険性がある地域の調査を基に、 住民に対し迅速に危険を知らせる街路照明の開発を行った。 旧石器時代以降に発見された遺跡や古地図と、過去に浸水の被害のあった地域を重ねてみると、 水害の危険性がある地域には、むかし河川が流れていたという事例があり、見えない危険が潜んでいた。 河川の暗渠化と、高度経済成長期における市街地化によって、内水氾濫が起きやす状況と言える。


水害は低頻度で起こるため、普段はアーバンエレメンツとして成立しなければならない。 また、水害の危険性がある地域は窪地となっているので、広範囲に知らせる必要がある。 街路照明に水位センサを内蔵することで、これらを満たすことができると考えた。 避難する際の目安となる水位をセンサによって感知し、光によって危険をしらせる。 今後は、通信技術を応用したネットワーク化を図ることを目標としている。


【 研究協力 】
日鐵住金建材株式会社


特許出願済み・意匠登録済み

高齢者向けインナーヘッドプロテクターの開発

現在、超高齢社会である日本では、高齢者の転倒事故が多くなっている。 救急搬送人員における高齢者の割合は年々増加しており、 年間3万人を超える高齢者が転倒によって救急搬送されている。 中でも頭部の損傷は、高次脳機能障害といった後遺症や、 精神的なショックによる寝たきりを引き起こす可能性も高く、危険視されている。 しかし、高齢者の大多数はヘルメットなどの着用に抵抗感を持っており、転倒によるケガの対策を行っていないのが現状である。

そこで、本プロジェクトでは230人の高齢者にアンケート調査とインタビューを行い、高齢者が常用できるプロテクターの開発を行った。


高齢者の約7割が外出時に帽子を着用している点を着目し、 帽子の内側に装着するインナータイプを採用した。 また、アンケートから高齢者の転倒の傾向と特徴から損傷部位を特定することで、 大きさを抑え、特殊素材を多層化することで軽さと薄さを実現した。

また、素材には水に強く洗浄可能なものを選定。 高齢者の要望である「通気性が良いこと」「汗を書いても洗えること」「おしゃれをしたい」を満たし、快適な使い心地を可能とした。


【研究協力】
株式会社谷沢製作所
財団法人東京都中小企業振興公社


意匠登録済み

地上と地下のリンク

地下空間は地下鉄駅や商業施設の開発などにより広がっている。 しかし、地下構造と地上の位置関係を把握することが困難になる「地下迷い」が日常的に発生している。 現在の地下空間では案内板や個人の携帯電話以外に地上の情報を取得する方法はない。


そこで「地下迷い」を解決するため、拡張現実(Augmented Reality=AR)技術を利用したスマートフォン用アプリケーションとマーカー建材を開発した。

地下に設置されたマーカー建材をスマートフォンのカメラで認識することで、頭上に広がる地上の様子をスマートフォンの画面上に立体表示する。


現在は、気象情報や店舗情報などといった地上のあらゆる情報を付加させることで、「地上と地下のリンク」をより進めている。


【 研究協力 】
日鐵住金建材株式会社


特許出願予定

タコの吸盤構造を模倣した強力吸盤の開発

生物の特性を工業的に再現することでその特性を工業製品に持ち込もうとするバイオミメティックの研究。

バイオミメティックの視点からエラストマー樹脂の新たな可能性を探る研究開発。
現在、エラストマー素材は、 絶縁体・ガスケット・Oリングといった部材や素材そのものを用いたタイヤや輪ゴム、 生活雑貨といった工業製品等にまで幅広く用いられている。 また、エラストマーの成形技術に関しても、その進歩は目覚ましく、 表面加工や、微細な造形を施すことにより、その素材特性にまで切り込むことが可能である。 そこで本研究では、エラストマーのさらなる製品可能性を探る。

今回は私たちの身の回りで用いられる「吸盤構造製品」の機能向上を目的とした開発を行った。


実際にタコの吸盤を観察すると、吸着時に吸盤内の気密度を高める空気抜き室が存在する。 また、タコの吸盤はビニルよりもエラストマー樹脂に近い素材である。そこでエラストマー樹脂を用いた新しい吸盤構造を設け、強力な吸盤を開発した。


【 研究協力 】
株式会社昭和テック
東京都労働局創業支援課


意匠登録済み

感温・感湿変色素材を用いた熱中症防止製品の開発

近年、熱中症は大きな社会問題となっている。気温28℃、湿度40%以上となると熱中症になる危険性がある。そこで、感温・感湿変色素材を使用し、気温と湿度の変化を可視化することによって熱中症の危険を知らせるサーモリングを開発した。サーモリングは高温(28℃以上)高湿度(40%以上)になると色彩が抜けて白色化するため、 高齢者においても視認しやすく、熱中症を回避することが出来る。


また、夏季のアスファルトは急激な温度上昇を示し、散歩中の愛犬が熱中症や肉球の火傷をする事例が多い。 そこで路面温度を可視化することにより、熱中症や肉球の火傷の危険性を飼い主に知らせる製品を開発した。


【 研究協力 】
株式会社昭和テック
東京都労働局創業支援課


意匠登録済み

住空間における養液栽培

近年、「食」への関心が高まり、家庭菜園を行う人が増えている。 その栽培方法は土壌を培地とした土耕栽培が一般的である。 しかし、東京23区では8割の区が土壌を回収していないため、 その処理方法が問題となっており、土耕栽培を行うことは難しい。 このような現状を踏まえ、土壌処理に困らない新たな培地の検討を行った。 自ら栽培した植物を自ら消費する「自産自消」という新しいライフスタイルを提案する。


【写真上】
本研究では、廃棄に困らない「マット栽培」を用いた。 マット栽培とは土壌を使わずに保水機能のある不織布などの組み合わせで構成した固形培地である。 マット栽培のメリットとして、栽培を始める際の培地準備やメンテナンスが容易であり、 手を汚さず栽培ができる。使用後の廃棄も一般ゴミとして扱えるため、都市生活者には利点と言える。 また、キッチンで栽培することを考え、毛細管現象により養液を供給する衛生的な水耕栽培である。


【写真下】
本研究では、栽培空間が軽量で酸素供給量が多いという特徴を持つ噴霧式栽培を用いた。 昨年度の基礎実験データを基に、本格的な製品化に向けたモデル検討を行い、 栽培空間と噴霧装置の一体型栽培システムを製作。 昨今の記録的な猛暑による影響を最小限に抑えるため、熱シミュレーションを行い、 空間の自然対流をおこすことで熱がこもるのを防いだ。

<2009年より継続>


【 研究協力 】
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社


意匠登録済み

伸縮自在印刷を使用したプロダクトの提案

パフォーマンス向上を狙ったスポーツサポートウェアの開発。現在、多種多様なサポートウェアが発売されているが明確な検証データを持つ商品はなく、 消費者の商品選択が困難である。そこで、本研究では明確な検証データに基づくサポートウェアの開発を行った。 また、サポートウェアには印刷自身が伸び縮み可能な“伸縮自在印刷”を使用し、 筋肉へのピンポイントな引き締めを行うことにより、パフォーマンス向上の効果を持たせた。プロダクトは、全種目の基本となるスタンダードモデルと、 種目別サポートウェアであるクロスカントリーモデルの2種類である。


【写真上】
スタンダードモデル
姿勢矯正、体幹を安定させるラインで、スポーツ時の理想の姿勢を保ち、持久力向上の効果を持たせた。 また、使用する筋肉に特化した引き締めラインで、筋肉強化の効果を持たせ、パワーを向上させた。 さらに、筋肉に沿わせたラインで、筋持久力を向上させ、疲労軽減の効果を持たせたデザイン。


【写真下】
クロスカントリーモデル
スタンダードモデルの効果に加え、腕と脚にクロスカントリーの動作に特化した引き締めラインで、 筋肉強化・疲労軽減の効果を持たせたデザイン。

機能特徴
汗をかきやすい部分にはハニカム構造によるパターンを用いて ウェア着用時の通気性と筋力アップを確保した。また、夜間のランナーの視認性を高めるため、反射シートを使用した。


<2009年度より継続>


【 研究協力 】
株式会社エヌエスケーエコマーク
法政大学 スポーツ健康学部 泉研究室


意匠登録済み

野生害獣被害対策

イノシシやシカによる農林被害は深刻な問題となっている。 農作物被害は200億円で高止まりしているが、未報告の被害や山林治水などの影も含めると、 総額500億円の被害にのぼると予想される。 侵入された田畑の被害は深刻であり、農作継続を断念せざるを得ないほどである。 そのため、日本の農業、日本の食卓を守るために早急な対応が求められている。 本研究では害獣の嫌悪臭を従来技術のマイクロカプセルに封入することにより、 害獣による農林被害を防止させると共に、 生産農家への経済的負担や労働的負担を軽減させることを目的としている。
3年目となる本年度は、製品化に向けて使用用途や形状などを検討した。


【イノシシ・シカ用防護柵】
高齢者でも設置の負担が少なく、イノシシとシカの双方の対策が可能な防護柵である。
本防護柵は、主に2種の支柱と2種のネットから成る。1本目の支柱を地面に打ち込み、イノシシ用の目隠し効果が施されたネットを装着する。 次に、シカ用の噛み切ることが困難なネットを装着した状態の支柱を1本目の支柱に挿し込み、 固定することで背の高い防護柵を用意に設置することが出来る。


【シカ用忌避シート】
ネットに取り付け可能な、シート状の忌避剤。シート面にシカの忌避剤が封入されたマイクロカプセルが塗布されており、 これを防護ネットに取り付ける。シート面にはシカが本能的に恐怖心を感じる動物の目をイメージしたマークの プリントを施している。 ネットに取り付けるフックの形状は、様々なネットに装着可能となっており、強風が吹いても外れない形状となっている。


【イノシシ用忌避シート】
ネットに取り付け可能な、テープ状の忌避剤。シート面にイノシシの忌避剤が封入されたマイクロカプセルが塗布されており、 固定ピンを用いて防護ネットや防風ネットに取り付け、畑一面を囲う。 固定ピンは自由な長さで折り曲げることが出来るため、様々な網目のネットに取り付けることが出来る。 また、忌避シートと固定ピンがそれぞれ嵌合する形状になっており、強風に耐えることが出来る。


【イノシシ用忌避タブレット】
イノシシの忌避剤をマイクロカプセルに封入し、タブレット状に固形化した忌避剤。 粒状になっているため、ネットに装着する忌避シートと比べ、設置箇所を選ばない。 高齢化が進む生産者にとって扱いやすい忌避剤と言える。

<2008年度より継続>


【 研究協力 】
大日本印刷株式会社
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社
法政大学 杉山研究室


意匠登録済み・意匠登録済み

野生害獣被害対策

イノシシやシカによる農林被害は深刻な問題となっている。 農作物被害は200億円で高止まりしているが、未報告の被害や山林治水などへの影響も含めると、総額500億円の被害にのぼると予想される。 侵入された田畑の被害は深刻であり、農作継続を断念せざるを得ないほどである。 本研究ではイノシシやシカの忌避臭を従来技術のマイクロカプセルに封入することにより農林被害を防ぎ、生産農家への経済的負担や労働的負担を軽減させることを目的としている。






(中段写真左)
シカの樹皮剥ぎから樹木を保護するため、被害地帯を囲うように埋めるプレート。
シートに塗布されているマイクロカプセルが徐放し、シカの侵入を防ぐ。プレートの両端を足で踏み込むことで簡単に設置できる。


(中段写真右)
シカによる苗木の新芽食害を防ぐため、苗木に取り付ける円型シート。
頂芽を覆うように巻きつけ、苗木の生長点を守る。様々な種類の苗木に対応することが可能である。マイクロカプセルが雨や霧による湿気により破壊されること でシカの忌避臭成分を放出し、シカによる食害を防ぐ。


(下段写真左)
田畑と里山に境界線を引く、地面に設置するタブレット用の杭。 タブレットから徐放される臭気成分により田畑への侵入を防ぐ。さらに雨や夜露によって、臭気成分が地面に染み込むことで効果が持続する。

(下段写真右)
隙間を鼻で押し広げようとするイノシシの行動習性を利用した支柱。 鼻でシートをこすることによりマイクロカプセルが割れ、鼻の粘膜に刺激成分が付着する。イノシシに痛みを学習させ、持続的に被害を防ぐ。また、支柱の組み方を変えることによって、あらゆる畑に設置することが可能である。
<2008年度より継続>


【 研究協力 】
大日本印刷株式会社
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社
法政大学 杉山研究室


意匠登録済み・意匠登録済み

都市災害における緊急仮設住宅

私たちが暮らす日本は地震大国である。一度大地震が発生すれば建物の倒壊等と共に都市機能が麻痺し、多くの人が行き場を失う事となる。例えば、幼児を連れた母親は、授乳する場所の問題や子供の泣き声を気にしてしまい、避難所にいづらい状況になっている。そこで大地震後の被災生活において、避難所以外での生活を余儀なくされた家族が自力で短時間で組み立てることができ、周囲の目を気にする事なく安心して暮らす事が出来る「都市災害における緊急仮設住宅」を提案する。
素材には、断熱性や軽量化、加工性、コストなどの面からダンボールを使用。形状や組み立てやすさなどの合理性をはかり、組み立て前のパッキングや運搬性も考慮して、商品化を目指す。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
東京都総務局総合防災部
三洋電機株式会社

競泳用コーチングプロダクト

競泳トレーニング中の選手へ直接指示できる骨伝導素子を利用した遠隔指導装置。競泳練習中の選手は、プールサイドのコーチからの指示が聞き取りづらく、誰に対する指示であるか判断しにくい。本プロジェクトは骨伝導技術を利用したプロダクトを開発することにより、泳いでいる選手への直接指示を可能にした。
3年目となる本年度は、「あらゆる泳法に対応する電源部の改善」「選手に違和感を与えないモデルの小型化」「プール内で紛失しても発見しやすい色彩計画」の3点の課題を設定し、実際の使用環境に耐えうるモデルの改良をおこなった。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
ウエタックス株式会社
法政大学 体育会・法泳会
三洋電機株式会社

競泳用自主練習のためのトレーニングプロジェクト

競泳トレーニング中の選手の自主練習のためのプロダクト
中長距離選手の自主練習ではペース配分の習得が重要であるにも関わらず、泳ぎながらでは自身のペース配分を把握することができない。本プロジェクトではこの現状を解決するために本体、スタートボタン、水中スピーカー内蔵のフットマットを開発した。
これにより、従来、選手が泳いでいる際に把握することができなかったペース配分が把握できる。また、練習後に本体で自身の通過タイムを確認することで目標との差を自覚し、次なる効果的な練習法に繋げることができる。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
ウエタックス株式会社
法政大学 体育会・法泳会
三洋電機株式会社

酸性に傾いた雨水を中和することが出来る貯水タンクの開発

降雨を貯水し、中水として再利用する雨水利用の為の貯水槽
現在、日本の95%の地域では酸性雨が降っており、全国平均ではpH4.6にも達している。そのため、降雨を無処理のまま中水として洗車に使用した場合に錆が発生する問題や草木に散水すると枯れてしまうなどの問題が発生してしまう。また降り始めの初期雨水は大気中や屋根に積もった煤塵を多く含み、高濃度に汚染されている。 そこで初期雨水を分離し、酸性に傾いた雨水を中和することが出来る貯水タンクを開発している。


【 研究協力 】
新日鐵株式会社
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社

伸縮自在印刷を使用したスポーツアンダーウェア

本研究は、印刷自体が伸び縮み可能な”伸縮自在印刷”を使用した新しい引き締め効果を可能とするスポーツアンダーウェアの開発プロジェクトである。
伸縮性生地に印刷を施した場合、生地との間に伸縮率の差が生じることで印刷部分に引き締め効果が生まれる。この効果を応用し、適切な筋肉箇所を引き締めることで、運動能力の向上・疲労回復・ケガ防止の効果を持たせたアンダースパッツ・アンダーソックスを提案した。
実際に、法政大学スポーツ健康学部と共同で筋力の向上を検証し、効果があることを確認できた。
来年度も引き続き、様々な分野においてこの引き締め効果を応用したプロダクト開発を目指す。
左記データはウェア装着時の運動能力の向上、疲労回復効果などの計測データである。


【 研究協力 】
財団法人東京都中小企業振興公社
株式会社エヌエスケーエコマーク
法政大学 スポーツ健康学部 泉研究室

東京農業プロジェクト01

本研究は都市部で適性のある栽培方式の検証を行い、都市部における小規模有機野菜生産の可能性を探ると共に、住空間での野菜栽培を実現する栽培プロダクトの開発を行った。土地確保の問題から農業に参加出来ない都市住民や、使用済みの培地処理に悩む菜園愛好家に、新しい農業・ライフスタイルのあり方を提案する。栽培プロダクトは点滴潅水方式を採用し、電気的機構を用いずに養液の供給ができるため低コストで効率のよい栽培が可能である。また、栽培に用いる培地資材としては洗浄・殺菌することで繰り返し利用でき、害虫の発生が極めて少ないハイドロボールを基材とし、新たな培地を開発した。


【 研究協力 】
三井不動産株式会社
株式会社ソフウェル
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社

東京農業プロジェクト02

都市住民が参加する新たな農業の可能性を示すとともに、都市部で適正のある栽培方法の検証、および新たな連続不耕起植物栽培方法の提案とその検証を行い、都市部における小規模有機植物生産の可能性を探ることが本研究の目的である。
本プロダクトは、根に栄養を効率良く与えるマイクロミスト栽培方式を採用し、少ない水量で栽培が可能な都市型栽培ユニットといえる。また本方式では、都市部において処理が困難な培地を使用する必要がない。


【 研究協力 】
三井不動産株式会社
株式会社ソフウェル
株式会社アベキン
熊倉シャーリング有限会社

感染症から3つの部位を守るゴーグル付マスク

口と鼻を広く覆い、呼吸のし易さを考慮した立体形状マスクと、状況により取り外しが可能なPC製簡易ゴーグルを一体化したパンデミック用アイゴーグル付きマスク。
マスクはN95マスクとサージカルマスクの中間の微粒子捕集効率を有する。
生活者を高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の変異・変化による新型インフルエンザの感染爆発によるパンデミックから、安全かつ確実に守るマスクの開発を行った。(国立感染症研究所 感染症情報センター第一室長 谷口清州氏の情報提供を受け製作。)
パンデミック時、口と鼻の粘膜を飛沫感染と飛沫核感染(空気感染)から防護し、眼の粘膜を飛沫感染から防護することを目的とし研究開発を行った。
本作品を装着することで新型インフルエンザの感染確率を下げることが出来る。

野生害獣被害対策

本研究では、従来からの技術であるマイクロカプセル技術を利用して、害獣から農作物や樹木を守る忌避材や捕獲のための誘引材を開発中である。
近年、温暖化の影響から野生鳥獣による農林業被害が増加している。これにより離職農家の数は増え、放置された畑の土壌の酸性化が進んでいる。
そして我々はこの問題を解決するため、鳥獣の生態やDNA等から鳥獣の好むにおい、嫌うにおいを考察し、野生鳥獣の生産農林地への侵入を防ぐための実験を実施している。


【 研究協力 】
大日本印刷株式会社

都市災害における緊急仮設住宅 -brick-

私達の住む地震大国日本では、いつ大地震に見舞われるか分からない状況にある。
2008年現在、東京都の予測では、大震災に見舞われた時に避難所に入れない人々が63万人にも上ると予想されている。 また仮に避難所に入る事の出来たとしても、その人々の中の幼児を連れた母親にとってその避難所は子供の奇声や泣き声を気兼ねし、避難生活を送ることの出来ない状況に追いやられてしまう場となってしまう。
私達はこの大地震後の被災生活において、避難所以外での生活を余儀なくされる被災者が自ら、安全な場所を見つけ、短時間で簡単に自力で組立てることができ、周囲の目を気にせずに家族と安心して暮らすことが出来る「都市災害における緊急仮設住宅」を提案する。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
東京都
三洋電機株式会社
株式会社ユナイトボード

競泳のためのコーチングプロダクト -VIVRA-

競泳トレーニング中の選手へ直接指示できる骨伝導素子を利用した遠隔指導装置。
練習中の選手に直接コーチからの指示を伝える練習用装置(コントローラー)のデザインは実地研修を行い、現場(コーチ)の声を具現化したものである。 握りやすさ、ボタンの押しやすさを重視し、本体側面に指のかかりやすいくびれを設け、左右のボタンの形状に違いがあることで片手でも確実に操作を出来るようにした。また、プールへの落下を考慮し完全防水仕様になっている。
それから、練習中の選手が直接コーチの指示を受けるための練習装置(レシーバー)のデザインは、競泳選手に実際に使用をしてもらい、装着方法・形状を算出した。選手の泳ぎを邪魔しない薄いフォルムをしており、装置と後頭部の設置面は、後頭部の縦Rと横Rを計測し、その平均寸法から設計を行った。それにより、骨伝導効率を向上させるとともに、装着中の外れを防ぐことに成功。装置は水中で稼動するため完全防水仕様となっている。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
ウエタックス株式会社
三洋電機株式会社
法政大学 体育会・法泳会

野菜の鮮度保持リターナブル容器 -vegcom-

昨今、産地偽装などの問題から食の安全・安心への関心が高まっており、スーパーだけでなく宅配サービスなどで野菜を購入する選択が増加している。
それを可能にしているのは、生鮮野菜流通で予冷や輸送などの保持技術が向上したことである。 しかし、保持技術が従来よりも格段に発展を遂げてきたとはいえ、野菜は生き物であり品目ごとに鮮度・品質保持機関が異なるため、消費者に届くまで適切な方法で処置はされていない。 そこで野菜の適切な鮮度保持方法の調査と調査結果を反映した容器のデザインを行った。
容器のコンセプトは「穫れたままの姿、それがおいしい」。
野菜が生っている状態のまま消費者のもとに届くように仕切り版を用い、野菜を「立てたまま」輸送できる容器をデザインした。 仕切り版には保冷剤が内蔵されており、輸送時に野菜を冷却し鮮度を保持している。 さらに、容器の上下に配置したフタは、野菜の鮮度保持のために通気孔を設け、スタッキングを可能にするため“へこみ”をつけてある。

人と森をつなぐプロダクト 森を守り、人を守る笛

本プロジェクトは”TOKYO NEXT DESIGN PROJECT”による、株式会社森のいいこととの産学協同プロジェクトとしてスタートした。都会のイメージが先行する東京だが、実際はその4割近くを森林が占めている。しかし、それを実感する機会は非常に少なく、東京に住む人と森の距離は近いようで遠い。そこでまず第一歩として、「人々に森に対する関心を持たせる=人と森をつなぐ」ことが重要であると考え、日常生活の中で森に触れられ、森を感じることが出来る「笛」を制作した。
持ち歩けるサイズにすることでいつも”笛=森”を身に付け、生活の中に森を意識させる。災害時にはその音色によって命を助けるきっかけを生み、人を守る笛となる。間伐材を用い、売上の一部を林業活動に還元することで、この笛を持つことが森を守ることにつながる。それによって守られた森は再生し、人を守り、このプロダクトによって人と森の関係の重要さを啓発する。


【 研究協力 】
東京都
株式会社 森のいいこと
TOKYO NEXT DESIGN PROJECT

人と森をつなぐ新たな木製玩具

本作品は東京都が主催する産学連携プロジェクト「東京ネクストデザインプロジェクト’08」で(株)森のいいこと社とともに、森林資源の活用・普及・啓蒙のためのソーシャルプロダクトとして製作したものである。森林の果たしている主な役割は二酸化炭素の吸収・貯蔵機能・水源涵養作用などが挙げられ、その健全な森林を保持するためには、伐採・植栽・育成という「循環」を確保する必要がある。 現代社会において「森に対する意識・関心」を持つ人を少しでも増やしたいという思いから、未来を担う子供たちに向け木製玩具をデザインした。
「思わず触りたくなる」をコンセプトに3種の玩具を製作し、それぞれに素材が木である意味を持たせ、遊びの可能性・安全性を考慮した。
保育園で実地検証を行ったときの子供たちの笑顔は今でも目に焼きついており、本作品を通じて「森と人をつなぐ」ことに微力ながら貢献できたと感じている。


【 研究協力 】
東京都
株式会社 森のいいこと
TOKYO NEXT DESIGN PROJECT

女性の「日常」と「災害時」に潜む危険から身を守るバッグ-boog-

近年、通り魔事件、暴漢や引ったくりなど、外出先での思いがけない事件や事故が相次いでいる。 また、2007年相次いだ大型地震により、人々の都市直下型大地震への不安も増している。 大規模災害時、公共交通機関が停止し、自宅まで20km以上歩く必要のある人を帰宅困難者と呼び、マグニチュード7.3の地震が発生した場合、首都圏だけで約650万人の帰宅困難者が発生するとされている。 一般女性の外出時における服装や所持品は長距離徒歩に適したものではなく、安全な帰宅の可能性が極めて低いと予想される。 この問題の解決策の一つとして本プロダクトの研究開発を行った。
女性の外出時における所持品に関するアンケートを実施し、現状を把握した上で、日常の危険と災害の危険の両面から、緊急時に必要になる機能を選別し「身を守るバッグ」をデザインした。
防災グッズを内蔵し、緊急時にはリュックサックへと変化する“日常”と“災害”のどちらでも使用ができるプロダクトである。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
大日本印刷株式会社

被災時に身を守る為の男性用バッグ -boog-

日本は世界有数の地震大国であり、近年でも各地で大地震が起きている。 東京都をはじめとした都心部でも、近い将来、大地震が起こると言われている。 特に都心部では建物が密集しており、被災時にはガラス破片の飛散・降り注ぐ火の粉等の様々な危険が想定される。 また、被災時に外出していた場合、数百万人が同じ状況に置かれている為、家族等の安否確認をすることは難しい。 このような状況下では、たとえ危険だと分かっていても帰宅しようとする人が多いのではないだろうか。
そこで、「普段は荷物を運ぶツール」として。「被災時には、着用して身体を保護するツール」として使用する。 更に、ICタグを付属することで、自身の安否状況を家族に伝えられる。 そのような『普段から安心を携帯することのできるバッグ』の提案。
アンケート調査の実施,帰宅徒歩訓練への参加。 そして、ICタグの読み取り実験、落石実験等を行い、よりリアルな最終成果物を制作した。
<2007年度より継続>


【 研究協力 】
大日本印刷株式会社

膨らむ電子マネー -bitpurse-

bit purseは、金額情報を相対化し、本体の厚さで金銭感覚を伝達する、デジタル制御の電子マネーです。ユーザーの支出を記憶し、人それぞれ違うお金がある時とない時の金額を分析し、内蔵されたマイコンが厚みを制御します。
本作品では、コンセプトモデルとして厚みを制御する機構と外装のデザインを行いました。

商業施設における駐車システム

車で商業施設に買い物をする際、駐車場で駐車券を貰います。そこには、お会計をする際に利用者が駐車券を掲示するのを忘れる、車の中に置いたままにする等、様々な問題が生じています。そこで、定期券や切符で普及している長距離通信が可能なUHF帯RFIDを応用し、より簡単で便利なシステムを考案しました。また、購入金額に応じたポイントを貯める事により、ただの駐車券から新たなビジネスモデルが構築されます。

防犯×RFID×インフラ

防犯に対する意見や議論は、昨今最も騒がれる感心ごとの1つである。このプロジェクトでは、5時のチャイム、防犯灯、防犯ブザーをネットワーク化し、点での防犯から面の防犯へ移行させる研究を行った。

家族の安心 心の安心 -Communikey-

親は子供の安全に不安を覚えている。特に子供が「無事に家に帰ってきた」という情報は、現代の社会背景から考えると重要な事である。本研究は、子供が帰宅した際、鍵を開けると自動的に親の元へ帰ったという情報をメールで伝える事が出来る。父親が帰った時も、母親が帰った時も同じように家族内へメールが伝わる事で、家族同士が安全を確認しあう事が出来る。日常の行為を通じて、人間が抱える不安を取り除く・地域にこのシステムを取り込む事により、より安全な社会が実現されるであろう。

Cultivate a Salad -plantplant-

消費者≒生産者となる個人植物工場
植物工場を個人宅のプランターレベルまで縮小化することで、極小規模であるが個人の農業参入を支援するものである。都市における農業意識向上を図ると共に、都市全体を植物工場化させることを狙った、新たな都市型農業の提案。

育てる喜び -結露de栽培-

都会では、窓を開けず締め切った空間で生活をする一人暮らしの女性は計り知れなく多い。それは、近年悪化する大気汚染や、騒音、そして何より都市における身の安全を守る防犯対策である。本研究は窓空間を利用し、一人暮らしの女性自らの手で、食材を育てて栄養を補える「結露de栽培」。結露の特性を生かした容器栽培は、水切れの心配も無く気軽に栽培を楽しむ事が出来る。一度の水やり(ベビーリーフ栽培は一度の水やりと一度の液肥)によって、育成が可能となり収穫が可能である。自分で育てる喜び、それを調理し食べる喜びを得る事ができる。窓際の緑のカーテンは、都会の新しい農業の姿だ。

安心を携帯するカバン -boog-

すぐそこにある危険
都会における高層ビルや商業施設内では、たとえ地震速報を聞いたとしても、数秒で安全な屋外へ逃げる事は難しい。とっさに持っているもので身を防ごうとする行為は、まさに人間の本能である。もしそれがいざという時の防具としても考慮されたモノであれば、外出先でも安心して生活を送る事が出来る。
boogを持ち歩く事は即ち、毎日行う事の出来る地震対策なのである。


【 研究協力 】
ランドバッグ

都市震災用仮設住宅 -Capa-

地震大国日本では、いつ大規模な震災に見舞われるかわからない。東京都では約63万人分の避難所不足がでると予測されている。被災者地震が組み立て、安全と安心を確保できる仮設住宅の提案。


【 研究協力 】
東京都
三洋電機株式会社
株式会社ユナイトボード

競泳用自主練習のためのプロダクト

■3Dmodel
装置の形状は、30人の後頭部を計測し、その平均値をとって基本設計を行い、調査から得られたデータを基に外観形状を決定した。
■実験model
骨伝動装置、無線受信部、9V電池、音源を使い、水面でのワイヤレスの通信性はどれくらいか、周りで泳いでいる人への影響や音量等を調べるため、実験を行った。
■使用実験
50メートルプールの端から端まで電波は届き、たとえ潜水していても指示が出せた。隣のコースで泳いでいる人には音が聞こえず、被験者だけが音を認識する事が出来た。


【 研究協力 】
株式会社ウエタックス