緊急時既往情報伝達システムの開発project in 2015
「探れない」を解決する
緊急搬送を行う消防隊員は傷病者のバッグ・ポケット内の所持品確認行為が禁止されており、周りに知り合いがいない単身受傷の場合、傷病者の緊急連絡先や服薬等を確認できない。本研究ではそのような背景を基に、傷病者家族への連絡及び傷病者情報を医療従事者に伝達するシステムの開発を行った。
本研究はICチップを搭載した個人認証用タグとタブレット端末用アプリケーションを用いて、傷病者家族への連絡、及び傷病者情報を医療従事者に伝達するシステムの構築を行うことで、救急現場の問題解決を目指す。
緊急時医療情報伝達タグ
救急関係者にとって傷病者情報を得るために必要な条件である「探さずとも外部から発見できること」という条件を満たした個人認証用タグを製作した。内部には身元・医療情報を記載したプレートを収納。孤を描くように抉られたアーチ形状により、顔写真の適切な露出を行う。
救急隊専用タブレットアプリケーション
救急車に配備されているタブレット端末を用いて利用するアプリケーション。タグ内臓のICチップを読み取り傷病者の身元情報・既往情報を一覧で表示する。タグはセキュリティレベルの高いICチップが内蔵されており救急関係者のみ閲覧できる。
傷病者情報を迅速に把握
ICチップを読み取り傷病者情報を現場で把握することで、適切な搬送先や処置を行うことが可能。ユーザーインターフェースは救急業務に即し、タップ領域を大きく確保した。既往情報を表示する下部はスクロール領域で情報を素早く閲覧できる。
ワンタッチで家族へ連絡
家族と連絡が取れない場合や、電話をする余裕が無い場合、ボタンをワンタッチするだけで登録した家族の元へ確実に連絡を行うことができる。 その際に搬送先病院の情報を同時に送信することや伝言メッセージなどを残すことも可能。
研究協力
総務省消防庁 消防庁救急企画室 救急連携係
東京都消防庁 消防本部
葛西消防署 麹町消防署
埼玉利根保健医療圏医療連携推進協議会
東京都保健医療公社多摩北部医療センター
川越救急クリニック
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意匠登録済