web漫画共創プラットフォームの開発project in 2015

編集者が考えもしなかったアイディアを生む新手法

漫画はクールジャパンとして国内で重要なコンテンツだと認識されている。今後、日本の漫画を世界中に広めるためにも、現行の漫画に縛られない、自由な発想から生まれるスピンオフ作品は必要になってくるのではと考えた。
本研究ではインターネットを通じて読者と漫画の編集者が繋がることで、今まで編集者が考えもしなかったアイデアを読者から得られるようなweb漫画共創プラットフォームの制作とそれを利用した新たな漫画制作手法によりスピンオフ作品を生む。

検証プロトタイプ

phpでアプリケーションプロトタイプを作成。このアプリケーションでは漫画の閲覧、漫画の感想や意見を自由に書き込めるスレッド、イラストやスケッチなどの画像共有をすることができる。

3回の効果検証実験

作成したプロトタイプを利用して、実際に漫画を書いている漫画研究会の方々に対して検証を行った。スレッドのレイアウト、誘導の仕方などを少しづつ改善し合計3回に渡って検証を行い、最適なUIと手法を模索した。

スレッド上の議論に焦点を当てたインターフェース

編集者と読者が繋がる上で最も重要なのが、スレッドである。このスレッドでは、あらゆるフェーズに合わせ、新規スレッドの立ち上げや意見交換、イラストの共有が行われる。途中から参加したユーザーであっても、今何について議論されているのかを即座に把握し参加できるインターフェースを作成した。

原稿のストーリーと全く異なるストーリーの誕生

スレッド内で、編集者が読者の意見を深堀するという手法をとることで、原稿の漫画の内容と全く異なるストーリーとキャラクターが出てきた。今回の研究では日本人を対象に検証を行ったが、インターネットを利用し海外の漫画ファンの意見を加えるとまた違った、新たなストーリー展開が生まれるだろう。そのように、世界中の漫画ファンをも巻き込んだ新たな漫画づくりの手法が、今後のクールジャパンを支える漫画の新たな展開になるかもしれない。