茶道の伝承と野点の新作法project in 2014

本格的な作法を野点に

茶の湯は日本文化の一つとして古くから親しまれている。しかし、今では古いしきたりに縛られず、外国人が見様見真似でお茶を点てる姿や、山ガールと呼ばれる若い女性が山頂でお茶を点てる姿なども見受けられ、茶道は室内で行われるという認識に変化が見られる。一方、年々茶道人口は減少しており、日本
古来の文化が失われつつある。そこで本研究では、茶の湯をもっと身近にする為に、元来室内で行われる茶道のあり方を損なうことなく、手軽に屋外でも茶の湯を楽しめる野点セットの開発を行う。

八角容器による新作法

角をとるという禅宗の考えに基づき、八角形にすることで、無駄な空間を省く。素材で使用した秋田杉は、柾目が詰まっており、強度を保ち、薄く加工出来る。また、多少の油分性を含み、耐水性がある。

建水の吸水シート化

一回で30mlの給水

30mlとは茶碗や茶筅を温めるのに最低限必要なお湯の量である。茶道では3回建水にお湯を捨てる為、3枚のシートを収納する。

防水加工された和紙

使用後のシートは片面防水加工された和紙に収納することで、屋外でもお湯を捨てることなく、持ち帰ることが可能である。

抹茶のパッケージ化

贈り物を和紙で包むという室町時代に生まれた武家礼法である「折形」を参考に、様々な折りのパターンを検討した。

野点茶碗の最適形状