野生害獣被害対策プロジェクト project in 2011
害獣の生態を考慮した忌避・防除プロダクトの提案
01.忌避プロダクト -本能を刺激する臭い-
マイクロカプセル技術を応用し、害獣が本能的に嫌う臭気成分を封入した忌避材。タブレット状、シート状があり、 害獣の生態的特徴や被害地域の地形に合った最適な対策を行う。
【吊型】忌避タブレット -臭気拡散による広範囲忌避-
作物を囲うように設置する。ロープに吊るしたまま、タブレットの補充が可能である。時間の経過と共にマイクロカプセルが破壊され、臭気を拡散させる。
【杭型】忌避タブレット -差し込みだけの簡易設置-
イノシシによる掘り返しを防ぐため、畑を囲うネットを抑える杭型のタブレットケース。様々な地形を考慮し、片手での設置が可能である
忌避シート -場所を取らない薄型タイプ-
シカによる侵入を防ぐため、畑を囲うネットに装着する忌避シート。風に煽られても外れにくい仕様となっている。
02.防護策 -少ない負担で畑を護る-
従来の防護策のパーツ構成を見直し、ユーザーの体力的負担の軽減、害獣の生態的特徴を考慮した防護策。地形や被害状況に応じて、形態を選択することができる。
単一部品での簡易ジョイント
支柱ジョイント時、プレートストッパーを下部支柱のスリットに差し込むことで、上部支柱からの加重により安定性をもたらす。また、コーナー部には専用の補強構造を用いる。支柱間に水平にパイプを通すことで、支柱の内倒れを防止する。
03.足がらみ -動物の弱点"足と腹"に着目-
動物の肉体的弱点である足と腹に着目。足を踏み入れた際に違和感を与える構造で、畑や農村部への進行を妨げる。また、学習能力を利用することで、長期的な効果が期待できる。
山間部での誘導実験
山麓の獣道に剛性足がらみ柵を設置。獣道は足がらみ柵を迂回するように変化し、農村部での食害が減少した。
研究協力
大日本印刷 株式会社
日鐵住金建材 株式会社
株式会社 アベキン
熊倉シャーリング 株式会社
ダイオ化成 株式会社
法政大学 杉山研究室