マイクロカプセルを応用した害獣被害対策プロジェクト project in 2009
害獣の生態的特徴から分析し導き出した忌避材
森林用 プレート
シカの樹皮剥ぎから樹木を保護するため、被害地帯を囲うように埋めるプレート。シートから徐放される臭気成分により 侵入を防ぐ。
苗木用 シート
シカによる苗木の新芽食害を防ぐため、苗木に取り付けるシート。頂芽を覆うように設置することで生長点を守る。
トタン柵用 支柱
隙間を鼻で押し広げようとするイノシシの習性行動を利用した支柱。鼻でシートをこすった際に刺激成分が放出され、鼻の粘膜に付着する。
田畑用 杭
田畑と里山に境界線を引くように設置するタブレット用の杭。雨や夜露によってタブレットのカプセルが壊れ、成分が放出することで、 田畑への侵入を防ぐ。
検証実験
昨年度特定されたシカの忌避物資「3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール」、イノシシの忌避物質「カプサイシン」に加え、 40歳以上の男性から多く分泌される加齢臭「トランス2-ノネナール」を新たな忌避物質として、実験及び形状の検討を実施した。
トランス2-ノネナール
シカやイノシシは、人間が通った山道周辺にしばらく姿を現さない。狩猟者や農林業者の平均年齢が50歳以上であることから、イノシシやシカにとって 加齢臭は危険を感じさせる臭いであると言える。
3-メルカプト−3−メチル-1-ブタノール
シカは、天敵臭を避けるよう遺伝子に組み込まれている。特にネコ科の尿に含まれる成分は、シカが飛び跳ねて逃げるほど恐怖を与える。
カプサイシン
イノシシは鼻を武器に体重以上の目標物を持ち上げてしまう。その一方で鼻の粘膜は敏感な部分でもあり、辛味成分などの刺激に弱い。
研究協力
大日本印刷 株式会社
有限会社 ADEKA
有限会社 渡辺モデルメーカース